この時期に畳を入れ替えると青カビで大変だったことありませんか。拭いても取れないなんてことありましたよね。ある一説では、(ばいう)という呼び名は中国から伝わったとされています。この時期は雨が多く、カビが生えやすい時期であることから黴(かび)の雨と書いて黴雨(ばいう)と呼んでいたそうです。気が滅入りますね。それでこの時期に旬を迎える「梅」にちなんで、梅雨と書くようになったとか。
梅の力はすごいんです。「梅はその日の難逃れ」という言い伝えがあり朝出かける前に食べると、その日の難を逃れると言われています。疫病を祓い健康を願うため、旧暦の六月十六日にとれた梅の実で作った梅干しを、旅立ちの日に食べると災難を逃れると言われています。この梅干しを「嘉祥の梅(かじょうのうめ)」というそうです。ちなみに六月十六日は「和菓子の日」だそうです。これは、平安時代に疫病が流行した際、旧暦六月十六日(今年は七月十日)に神前に菓子を備えて祈願したそうで、それが江戸時代になってもつづき、明治維新以後は、新暦六月十六日を「和菓子の日」とされています。十六日にちなんで十六種類のお菓子を備えたり、みんなで食べて、厄除けや健康招福を祈願するのです。お菓子好きにはたまりませんね。
梅の話に戻って、青梅には、シアン化合物という天然毒素が含まれているそうで、そのまま食べるのに適していません。多量を摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があるそうです。シアン化合物は、加工、熟成により分解されるので、梅干しや梅酒などにしてから食べましょう。
梅干しは毎年漬けるものと言われますが、その理由に経験を積んでより美味しい梅干しを作るためともいわれます。私の梅干しは塩辛かったり、すっぱすぎたり味が安定しません。経験不足ですね。人生と同じです。
経験をたくさん積んでおいしい梅干しをつくりましょう。
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