2025年06月01日

梅干しの季節

 梅雨到来。あなたは(つゆ)それとも(ばいう)のどっち派? 
 この時期に畳を入れ替えると青カビで大変だったことありませんか。拭いても取れないなんてことありましたよね。ある一説では、(ばいう)という呼び名は中国から伝わったとされています。この時期は雨が多く、カビが生えやすい時期であることから黴(かび)の雨と書いて黴雨(ばいう)と呼んでいたそうです。気が滅入りますね。それでこの時期に旬を迎える「梅」にちなんで、梅雨と書くようになったとか。
 梅の力はすごいんです。「梅はその日の難逃れ」という言い伝えがあり朝出かける前に食べると、その日の難を逃れると言われています。疫病を祓い健康を願うため、旧暦の六月十六日にとれた梅の実で作った梅干しを、旅立ちの日に食べると災難を逃れると言われています。この梅干しを「嘉祥の梅(かじょうのうめ)」というそうです。ちなみに六月十六日は「和菓子の日」だそうです。これは、平安時代に疫病が流行した際、旧暦六月十六日(今年は七月十日)に神前に菓子を備えて祈願したそうで、それが江戸時代になってもつづき、明治維新以後は、新暦六月十六日を「和菓子の日」とされています。十六日にちなんで十六種類のお菓子を備えたり、みんなで食べて、厄除けや健康招福を祈願するのです。お菓子好きにはたまりませんね。
 梅の話に戻って、青梅には、シアン化合物という天然毒素が含まれているそうで、そのまま食べるのに適していません。多量を摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があるそうです。シアン化合物は、加工、熟成により分解されるので、梅干しや梅酒などにしてから食べましょう。
 梅干しは毎年漬けるものと言われますが、その理由に経験を積んでより美味しい梅干しを作るためともいわれます。私の梅干しは塩辛かったり、すっぱすぎたり味が安定しません。経験不足ですね。人生と同じです。

 経験をたくさん積んでおいしい梅干しをつくりましょう。

22736709.png

posted by 松浦市社協会長 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事

2025年05月01日

子どもの日

 屋根より高いこいのぼり・・と屋根を見上げても、こいのぼりを仰ぎ見る家は少なくなりました。女の子の出産には、羽子板にひな節句、男の子の出産には、破魔弓に端午の節句と心待ちにした日々がありました。今日は何着ていこうかと、着物選びを楽しんだ時期があったのも、遠い昔のように思われます。
 久しぶりに歌でも歌ってみましょうか。5月と言えば・・
こいのぼり(作詞:近藤宮子)
やねよりたかいこいのぼり おおきいまごいはおとうさん
ちいさいひごいはこどもたち おもしろそうにおよいでる

鯉のぼり(作詞:文部省)
甍(いらか)の波と雲の波 重なる波の中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる朝風に 高く泳ぐや 鯉のぼり
開(ひら)ける広き其の口に 舟をも呑まん様(さま)見えて
ゆたかに振るう尾鰭(おひれ)には 物に動ぜぬ姿あり

背くらべ(作詞:海野厚)
柱のきずはおととしの 五月五日の背くらべ
ちまきたべたべ兄さんが 計ってくれた背のたけ
きのう比べりゃ何のこと やっと羽織の紐のたけ
柱にもたれりゃすぐ見える  遠いお山も背くらべ
雲の上まで顔出して てんでに背のびしていても
雪の帽子をぬいでさえ 一はやっぱり富士の山

26425204.png
posted by 松浦市社協会長 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事

2025年04月01日

桜ことば

 時は四月。季節は春。花と言えば桜。今回は、桜にまつわる言葉を探してみました。「桜色」「桜餅」「桜エビ」このへんは、まさしく桜の色からきてますね。「花明かり」は桜の花が満開で夜でもあたりがほのかに明るく感じられる様子を表していて、灯篭などの明かりで眺めを楽しむ「夜桜」見物とはまた異なる風情であります。昼間と違った桜の妖艶さが感じられます。
 川沿いの桜は川面に「桜影(さくらかげ)」を映し出します。遠くから見ると桜が霞のように見える様を「花霞(はながすみ)」と申します。
 桜は散っても桜。散る姿も美しい。「桜吹雪(さくらふぶき)」からは、優雅さやはかなさを感じさせ、散った花びらが川を流れていく様から「花筏(はないかだ)」と称される。年に一度の水遊び、筏(いかだ)遊びに興じているのだろうか。
 「桜花爛漫(おうからんまん)」は字の如し。しかし、満開の時を楽しむのもつかの間、この季節「桜雨(さくらあめ)」に散らされる。
ああ無常なり。

 春の季語には、花明かり、花筏、花冷え、春眠、陽春、花の便り、菜種梅雨、花曇りなどあるようです。そこで私も一句詠んでみました。

〇 花筏(はないかだ) 押してあげましょ 笹の櫂

〇 花明かり 手つなぐ孫の かけ足に
  見上げる時の 少なきことか

(お粗末!)

 
みなさんもぜひ、春を楽しんでください。

730553.png
posted by 松浦市社協会長 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事

2025年03月01日

卒業式に想う

 三月は卒業式。各学校で卒業式が行われる。私の小学校時代は五十年以上前であり、その記憶は薄らいでいるが、当時御厨小学校は体育館がなかったので三階の六年生の二教室をつないで講堂がつくられた。いすを並べ、入退場の練習、礼の仕方や卒業証書の受け取り方も練習した。卒業式では、君が代斉唱、校歌、仰げば尊しを歌い、蛍の光で送り出された。二クラス六十人程の卒業生と在校生は五年生だけ。それでも掛け合いも賑やかだった気がする。保護者はどこで見ておられたのだろう。
 私の子どもたちは、田代小学校を卒業した。平成十年当時は、どの学年も十名程の卒業生であった。体育館の舞台で卒業証書を授与された後、将来の夢を語ってから階段を下りた。みんな大きな声で将来の夢を語った。答辞を読む児童は答辞の練習、送辞を読む児童は送辞の練習、全員で掛け合いの練習は昔と変わらず、校歌のほかにも当時の卒業ソングを日々練習し、本番に備えた。
 卒業とは、特別なことではないかもしれない。その時が来たらみんな卒業するのである。でもその答辞や送辞を聞きながら嬉しさ、寂しさ、感謝の気持ちに涙する子どもたちがいた。親もまたしかりで子供たちの成長に感動した。毎日顔を合わせているのに、(いつの間にこんなに大きくなったのだろう!)とか(こんなにしっかりしているなんて!)と改めて我が子への想いを強め、ここまで育ててくれた先生方に感謝をした。それが謝恩会だった。かつては「仰げば尊し」が定番だったが、最近は歌われなくなったようだ。歌詞が難しいことや内容が今の時代にそぐわないとのことらしいが、個人的には心に残る歌である。かつて聞き覚えのある卒業ソングは、「旅立ちの日に」「翼をください」「ありがとう・さようなら」「今日の日はさようなら」など。平成にも令和にも素敵な卒業ソングがたくさんある。

 今年の卒業式では、どんな歌が聞けるのだろう。

2413687.png

posted by 松浦市社協会長 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事

2025年02月01日

玉の輿(たまのこし)の日に思う

 車のエンジンをかけると、カーナビが話しかけてきた。「一月二十日、今日は玉の輿の日です。」と。これは気になりますよね。
 「あの人は玉の輿に乗ったね」とか言ったりしますが、玉の輿の訳は、貴人の乗る美しい立派な輿、女性が結婚などによって富貴の身分になることと記されています。その語源には、二人の女性の存在がありました。
 一人目はお玉さん。西陣の八百屋の娘で父親の死後、下級武士本庄家の養女となります。当時は士農工商の身分制度があり、商から士へ一気に上がります。その後、公家出身の尼僧(のちの三代将軍家光公の側室となるお万の方)の侍女となり大奥にあがります。成人後、お玉も家光公の側室となり、のちの五代将軍綱吉公を産みます。生母として従一位という当時の女性の最高位に上り詰めました。
 二人目は京都祇園の芸妓お雪さん。アメリカの大富豪、モルガン財閥の創始者の甥ジョージ・モルガン氏の妻となった人です。失恋旅行に来たジョージは、外国人向けの茶屋で働くお雪を見初め、四年の月日をかけ、四万円(現在なら約八億円相当とか!)を払って身請けした。妾でなく、本妻として1904年1月20日、横浜で結婚式を挙げたのです。これが、「玉の輿の日」と呼ばれる訳です。モルガンお雪は、近代史上最高の玉の輿、日本のシンデレラと呼ばれました。
 近年は「逆玉」という言葉もあるようですが、男女平等の世の中、お互いを高め合える相手に出会ったとき、その人とともに生きたいと思った時が最上の時なのではないでしょうか。でも、もし、お玉さんとお雪さんに出会うことができたなら、玉の輿の乗り心地、聞いてみたいものですね。

22464280.png

posted by 松浦市社協会長 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事