2022年06月01日

「田植え」今昔物語

 田植えの準備が始まった。
 畦草刈りの音、田起こしのトラクターの音があちこちで聞こえる。家々では苗床の準備。方法は家ごとに異なるだろうが、私の家では、土を入れた苗箱を畑に並べ、水、籾、薬剤を順にかけ、最後に土をかぶせる。今は、苗床用の土を購入しており、粒が太くてすぐに箱いっぱいに黒くなるが、かつては、野山に霜降り土を探しに行った。庭先に広げて干し、振るいにかけ、サラサラの土に仕上げて利用した。粒が小さく、すぐに水に溶けるため、いくらかけても籾が隠れなかった記憶がある。覆土がすんだら、あとはトンネルをして終了。1週間もするとトンネルの中は見事な緑の絨毯になる。その後は水をかけながら、田植えまで待機する。
 水溜は、常に人力であった。牛に鋤を引っ張らせ、ハイ(前進)、ドウ(左へ)コシ(右へ)と牛語を操る。苗床の苗を一握りずつ重ねて藁で止め、田植えの始まる田んぼのあちこちに投げ入れる。田植紐の赤い玉を目印に植えるのだが、泥土に足を取られ、危うく倒れそうになる。
 牛の代わりにテーラーが使われだしたのは、昭和三十五年頃だと「ヤンマー」に勤めていた「クボタ」氏から教わった。我が家では、すぐにテーラーを買う余裕もなく、その後もしばらくは牛の世話になった。当時は、どの家にも牛や鶏が飼われていた。近年は、牛糞や鶏糞も店で購入でき、田植え長靴のおかげで泥まみれにならずに済んでいる。
 まさに昔があっての今であり、あらためて先人に感謝。
 今年も豊作でありますように…
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posted by 松浦市社協会長 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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